平成23年度の活動

  • 平成23年度はフィリピン、ケソン州ナカル地域において、環境保全、生活向上支援事業を実施しました。ナカルでのアグロフォレストリー農園事業は24年10月で5年目となり、開発から運営に向けた段階を迎えます。国内では、事業収入の増加させる計画を立ています。23年度としては4月上旬に東北地方太平洋地震被害者に向けて、救援物資を届けていたNGOを通じて幼児用の肌着をダンボール1箱分送りました。また、日比NGOネットワークに加入させていただき会員になりました。
  • 自立に向けた生活向上支援事業
  • フィリピン、ケソン州ナカルのアグロフォーレストリー型農園を中心に事業を行った。10月には農作業具 の収納や小規模な学習会等が行なえる集会場の建設に着工し、11月に完成。6月には、建設に先 立ち協会員の木下昌彦氏にボランティアでフィリピンに同行いただた。木下氏の大工という経歴を生かし、農園の立地や環境に適した集会所の設計、素材とその数量、材料の見積もりに協力いただいた。
  • 農園での野菜畑造成、作付け、肥料・堆肥づくりには、有機農法専門家の古野隆雄氏に協 力を得ました。古野氏は九州大学農学部を卒業後、福岡で農場を経営し30年以上も自然有機農法を実践している農専門家です。10月にまず現地入りして農園の諸調査をし、翌 24年2月には畝作り、排水路設計から、苗床や肥料、堆肥の作り方について、専門知識と 経験を生かした実践指導を行っていただいた。畝2本にトマト、ナス、チリ、ニガウリの苗を日本式の作付け方法で試し植えしたところ、立派な実をつけました。
集会所敷地の縄張りと完成した集会所(右) 畑の草取り 堆肥づくり
野菜の植付け 指導する古野氏 苗床づくり、1か月後(右)
  • 植林及び環境保全事業
  • アグロフォレストリ−農園(フィリピン、ケソン州ナカル)
  • アグロフォレストリ−計画に基づき、農園及び周囲の山間部の保全のために、植林のほか下草刈りなどの手入れを、秋と春に行った。植林の樹種は在来種のナラを中心に進めてきたが、今年度から熱帯樹木専門家の指導で、成長が早く、防虫効果も高いニームを中心にする計画である。
  • ニームはルソ ン島東部には少なく、苗木の入手も難しいことから、農園に育苗場を建設。ここで苗木を育てていく計画である。またこの地域では、ニームに対する認知度が低いため、この農園を拠点にワークショップを開き、ニームの特性、効用などの普及、広報に努めていく方針である。
  • マングローブ植林計画(インドネシア、東ジャワ州ムンガレ村)
    現地NGO AKINの要請により、平成20年にムンガレ村において、養魚池乱造より破壊されたマングローブ林の植生調査を実施した。その調査報告をもとにプロジェクトを立ち上げに向けて現地の最新情報の収集を行った。プロジェクトは25年度から実行する予定で進めている。
育苗場 育苗場 ナラ苗木 ニーム苗木を植え付け
植林後3年目のナラ 傾斜地の草取り
  • 教育支援事業
  • フィリピン、ナカルで進めている農園に隣接して先住民族の学童たちが通う小学校がある。訪問のたびに交流を図っているが、24年はさらに積極的に親交を深めていく予定で、23年度から打合せを重ねている。この地域は炭の生産や椰子の実の販売など自然資源を利用して、生活が成り立っている。自然資源を循環して利用できるように、まず児童を対象に環境教育を行う。また小学校へ図鑑や資料の購入費を支援することを考えている。環境教育には派遣専門家のほか、南ルソン大学農学部の学生にも参加してもらう予定である。
小学校で打ち合わせ 民族踊りを披露 小学校(授業中) 椰子の葉で住居(山間部)