平成28年度の活動

  • 本年度は、フィリピン国タルラック州ラパスでの「合鴨農法」技術移転事業をJICA「草の根事業」 として応募し、秋にはスタートする計画だったが、本年度は見送った。1年をかけて準備した大きな事業を見送ったことで、 本年度の活動は縮小といわざるを得ない状況となった。
    平成28年度の具体的な活動計画は以下の通りです。
  • 1.生活向上支援事業
  • 合鴨農法技術移転事業(フィリピン国タルラック州ラパス)
  • フィリピン共和国ケソン州インファンタ・ナカル地域で実施した生活向上支援事業で、 技術指導に当たっていただいた古野隆雄博士は、「合鴨農法」の世界的実践者であり指導者である。 その実績から、タルラック州ラパスの農民組合より「合鴨農法」を試みたいとの要望があり、 古野博士に技術指導していただく事業計画を立案した。
    ICAとの共同事業として実施するべく、 平成27年10月現地視察。28年1月には当協会理事長、スタッフがJICA東京事務所で打合せを行い、 6月に応募する予定で、再度、現地ラパスを視察。農民組合員や現地責任者と面談した。28年4月には、 マニラのJICAフィリピン事務所も訪れ、現地NGO連携課担当者との打合せも実施した。
    その結果を基に、東京で役員を中心に慎重に検討したが、ラパス現地の受け入れ態勢が整っていないこと、 現地プロジェクトマネジャー候補との調整が不十分であることから時期尚早と判断し、6月のJICA草の根支援応募は見送ることとした。
    「合鴨農法」普及事業の意義は十分にあるので、将来、機が熟せば再度実施に挑戦してみたいと考えている。
(ラパス)稲作後に野菜を栽培 (ラパス)食用鴨の飼育場
  • 栽培技術支援事業 (フィリピン国ケソン州ナカル)
  • 平成28年4月に農民組合(INGENN)の代表及び組合員と面談、打合せを行い、 ケソン州インファンタ・ナカル地域およびルソン島中部地域において、 従来から実施してきた山地住民の生活向上支援に一定の成果を得られたのでプロジェクトは終了した。
    今後は協議していく予定で、平成28年4月に農民組合(INGENN)の代表及び組合員と面談、打合せを行った。 現在、農民組合(INGENN)組合員の女性有志が組合が借用した農地で、有機栽培をしているが、 ナカル地域の有機栽培の道を開くことに期待し、今後当協会への支援要請があれば検討することにしている。
  • 2.植林及び環境保全事業
  • 植林ワークショップの開催(フィリピン国ケソン州ナカル)
  • 28年度はナカル、カタブリンガン村先住民児童小学校及びマラトン村小学校分校で、 植林ワークショップを開催し、 環境保全意識の向上、技術移転を図った。 本校・分校併せて、カラマンシー、ニームを中心に苗木30本を植栽。 参加者にもそれぞれ2本の苗木をプレゼントトした。
    同地域での植林・環境保全事業は、今回でひとつの区切りとなるため、25年度、26年度、27年度に 植栽した苗木の手入れや フォローアップを5年生や6年生、保護者など、本校・分校で60名ほどが参加して実施した。

カラマンシー
苗木と生徒たち(マラトン分校)
  • ・環境保全のためのリーダー養成講座(日本)
  •  日本では、環境保全のためのリーダーを養成する目的で、2日間の講座を計画した。  講義は日本及びフィリピンでの実績がある2名の特別講師と森林研究者1名を予定している。  開催は当初は埼玉県秩父の森林公園施設「秩父ミューズパーク」での計画で、講師の方々とともに視察をするなど準備に取りかかったが、「秩父ミューズパーク」までのバスの便数が少なく、またパーク内での移動にも時間を要することから、秩父での開催を断念した。 その後、深大寺植物公園、新宿中央公園、新宿御苑を視察し、樹木の豊富さなどから新宿御苑での開催に変更し、日程の調整を行ったが、秋(10月)では準備が整わないことから、新緑のころ(2017年5月)の実施に変更した。
  • 3.教育支援事業
  • 環境教育セミナーの開催(フィリピン国ケソン州ナカル・マラトン)
  • セミナーは、自然環境を適切に管理することにより、自然資源の枯渇を防ぐ目的で、 SPAの児童、教師、居住者を対象に実施。当協会員や現地ボランティアの指導のもと、森林・生態系の保全と その意義をタガログ語で作成し、図や写真で学童にも理解できるよう解説した。
    ○実施日時:平成28年4月6〜8日
    ○セミナー参加者:学童30名、教師5名、父母及び住民30名
    ○実施スタッフ:指導井上いづみ(協会員)及びSPA教師
    現地アシスト(通訳、コーディネーター):3名
タガログ語で作成したテキスト
タガログ語テキストでセミナー SPA校長と協議 SPA校長と教師